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帰還

やっと帰ってきたぜ・・・長い間眠っていたようだ。
その間に筋力は落ちてしまったが、精神的なレベルは高くなったようだ。
それを証拠に今はとても、すがすがしい気分だ。
始まりはここからだな。
ええ、そうね。今のあなたなら、高みを目指せるわ。
君か、ありうがとう。
今までなら、頭の中に響く声に対しても必要以上に反応しているところだが、
逆に落ち着くようだ。
さてと、まずはなまった体を鍛えなおさなくてはな。
ええ、あなたなら出来るわ。
有難う。素直に受け取るよ。

覚醒!!

「次は貴様か!!」
「かかって来い!」
挑発に乗るように
獣の姿をした敵が恐ろしいスピードで向かってくる。
「セイッヤー」
気合と共に常人の目には捕らえられない
一閃が獣をなぎ払った。
「今日は負ける気がしないな・・・」
10人ほど倒したところで、邪悪な気配が近づいてくることに
気がついた。
「次はあなたですか」
黒き禍々しいオーラを身にまとった騎士が音も無く近づいてくる。
「相手に不足なし!!」
「尋常に勝負!!」
剣を構えると同時に相手との距離を一瞬でつめる
すさまじい斬撃が空気を振るわせた。
勝負は一瞬でついていた。
「あぶなかった。もう一瞬遅れていたら・・・」
何とか勝ったが、まだ自分の未熟さが身にしみる勝負であった。
頭の中に彼女の声が響いた。
「覚醒したようね。」
「これを覚醒と呼ぶかは分からないが、心は晴れている」
今日はこのくらいで休むか。先は長い・・・

戦いの前

遠くから獣のような声が響いてくる。ここまで深い階を歩いてくると
外界の音は何も聞こえない筈。
ということは、この通路の先に人でない何かが潜んでいることになる。
剣を持つ腕が震えた。恐怖は無い。
以前の俺なら恐怖で死ぬほど震えていただろう。
しかし、今の俺が震えているのは、武者震いというより、
心の底から湧き上がる歓喜の震えだった。
もうあと一歩で、この角を曲がったら相手は居るであろう。
剣を構える。深呼吸を2度・・・
よしっ!
勢い良く走り出す。
しかし、角を曲がっても何も居ない・・・
すると、後ろの地面が盛り上がった。
自分の影の中から獣が現れる。
剣を振りかぶったが、時既に遅く剣がはじかれた。
乾いた音をたてて剣が転がり落ちた。
普通であれば死んでいたであろう、この瞬間も俺の中では
このスリルにわくわくしていた。
なかなかやるなっ!さあ来い!!
両こぶしを構えて向かい合う。


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